山への散骨はどうやるの?流れや費用、注意点やマナーも解説
散骨は「自然に還る」という思想を体現できる供養方法です。山への散骨を検討している方の中には「どのような流れで進めていくのか」「どのくらいの費用がかかるのか」など気になる点がある方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、山への散骨の流れや費用について解説します。散骨を行う際の注意点やマナーもあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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山への散骨とは?
山への散骨とは、火葬後の遺骨を粉末状にして、山林に撒く供養方法です。一般的には「山林散骨」や「山散骨」と呼ばれています。
山への散骨は自然葬の一種であり、「母なる大地に還る」という願いを叶えるための選択肢の一つです。しかし、散骨はどの山でもできるわけではないため、事前に確認しておく必要があります。
そもそも散骨とは?
散骨とは、故人様の遺骨を自然に還す供養方法です。この散骨にはさまざまな種類がありますが、主なものとして次の3つが挙げられます。
●海洋散骨…海に遺骨を撒く供養方法
●山林散骨…山に遺骨を撒く供養方法
●宇宙散骨…宇宙空間に遺骨を撒く供養方法
なお、散骨を行う時期に決まりはありません。火葬後すぐに行う方もいらっしゃれば、四十九日や一周忌などの節目の日に行う方もいらっしゃいます。
散骨は違法ではない
散骨を行うこと自体は違法ではありません。しかし、やり方によっては法律違反や条例違反、周囲とのトラブルにつながる可能性があるので注意が必要です。
例えば、散骨を行う際には、遺骨を2mm以下の粉末にしなければなりません。粉骨をせずに遺骨を撒くと、刑法190条の死体損壊等罪に抵触する恐れがあります。その他の注意点については「山への散骨の流れは?」の項目をご覧ください。
山への散骨と樹木葬の違い
山への散骨と混同されがちな「樹木葬」ですが、双方には次のような違いがあります。
| 項目 | 山への散骨 | 樹木葬 |
|---|---|---|
| 墓標の有無 | なし | あり(樹木や草花) |
| 管理者の有無 | なし | あり(寺院や霊園) |
山への散骨は墓標や管理者を必要としない埋葬方法です。そのため、お墓を用意する必要がなく、任意で場所を選ぶことができます。
一方、樹木葬は墓石の代わりに樹木や草花を墓標とする埋葬方法です。手を合わせる対象があり、また寺院や霊園の管理者が整備・清掃を行うため、こちらの方法を選択する方も少なくありません。
山への散骨の流れは?
ここからは、山への散骨の流れについて解説していきます。散骨が完了するまでの基本的な流れは以下のとおりです。
1.散骨する場所を決める
2.依頼先の業者を決める
3.粉骨をする
4.散骨する
それでは、各ステップについて詳しく見ていきましょう。
①散骨する場所を決める
はじめに、どこで散骨するかを決定します。一般的には故人様が好きだった場所や思い入れのある場所を選ばれる方が多いです。
なお、山には必ず所有者がいらっしゃいます。国・自治体・他人の所有地に無断で散骨することはできないため、事前に所有者を確認し、許可を得てから実施してください。加えて、一部の自治体では条例で散骨を制限・禁止しているため、その点にも注意が必要です。
②依頼先の業者を決める
山への散骨は個人で行うことができます。しかし、散骨には守るべきルールやマナーがたくさんあるため、専門業者に依頼するのが安心です。
全ての工程はもちろん、「やれることは自分でやりたい」「なるべく費用を抑えたい」という場合には、一部の工程のみを依頼することもできます。どこの業者に依頼するか、どこまで業者にお願いするかをあらかじめ決めておけば、よりスムーズに準備を進められるでしょう。
③粉骨をする
散骨を行うには遺骨を2mm以下に粉砕する必要があります。粉骨は自分で行っても問題ありませんが、精神的・肉体的な負担が大きいため、専門業者に依頼するのがおすすめです。
④散骨する
ここまでの準備が整ったら、いよいよ散骨当日を迎えます。遺骨を撒く際には、献花や供物を捧げることもできますが、環境保護のために自然への影響が少ないものやご自宅へ持ち帰りやすいものを選ぶようにしましょう。
山に散骨する際の費用は?
山への散骨の費用は100,000〜300,000円が相場です。この金額には粉骨からセレモニーまでの費用が含まれています。依頼料は時期や場所などによって変動するため、事前に見積もりを取得し、費用の総額を把握することが重要です。
まとめ
山への散骨は「自然に還る」という思想を体現できる供養方法の一つです。自分の所有地以外での散骨を希望する場合は、事前にその土地の所有者に連絡を入れ、許可を得る必要があります。
また、散骨を行うには遺骨を2mm以下に粉砕しなくてはなりません。さらに自然環境や地域住民への配慮も求められるため、専門業者を通して行うことを強く推奨します。
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