お葬式の所要時間はどのくらい？形式別や儀式別、タイムスケジュールも解説

お葬式の所要時間はどのくらいかかる？

一般的なご葬儀では1日目にお通夜、2日目にご葬儀・告別式を行います。各儀式の所要時間は以下のとおりです。

【喪主側（ご遺族・親族）】

【参列者側（一般参列者）】

なお、本記事でご紹介する所要時間はあくまで目安です。実際にかかる時間は参列者の人数や火葬場の混雑状況、会食の有無などによって変動します。

【形式別】お葬式の所要時間

ご葬儀の所要時間は「一般葬」「家族葬」「一日葬」などの形式によっても異なります。ここでは、ご葬儀にかかる時間の目安を形式別にご紹介します。

一般葬

先述したように、一般葬では1日目にお通夜、2日目にご葬儀を行います。喪主側の立場である場合、お通夜・ご葬儀ともに所要時間は5〜6時間が目安です。準備や片付けの時間を含めると、トータルで7時間を超えることが多いため、余裕を持ったスケジューリングを心掛けましょう。

一方、参列者側の立場である場合、お通夜・ご葬儀ともに所要時間は1〜2時間が目安です。儀式後の会食に参加したり、火葬場まで同行したりするのであれば、それらの時間も考慮してスケジュールを押さえる必要があります。

家族葬

家族葬とは、ご遺族や親族、ごく親しい友人・知人のみで執り行う小規模なご葬儀のことです。所要時間は3〜4時間程度となります。

家族葬の進行は比較的シンプルで、基本的な流れは一般葬とほぼ同じです。しかし、参列者が少ない分、焼香の時間が短くなるため、所要時間は大幅に短縮されます。近年では儀式を1日で済ませたり、通夜振る舞いを省略したりするケースも珍しくありません。

一日葬

一日葬とは、お通夜を省略し、ご葬儀・告別式と火葬を1日で執り行う形式のことを指します。所要時間は喪主側なら5〜6時間、参列者側なら1〜2時間が目安です。

一日葬ではお通夜が省略されますが、時間としては一般葬の1日とほぼ変わりません。しかし、葬送に必要な儀式を1日にまとめて行うため、ご自身の立場にかかわらず、参列時間が長くなる場合があります。

【儀式別】お葬式の所要時間

ご葬儀の中では「花入れの儀」や「火葬」などの儀式が行われますが、それらの儀式の所要時間はどのくらいなのでしょうか。ここでは、ご葬儀にかかる時間の目安を儀式別にご紹介します。

お通夜（読経・焼香）

お通夜の儀式そのものにかかる時間は1〜2時間が目安です。所要時間は参列者の人数や儀式の規模などによって変動します。

また、お通夜の後には「通夜振る舞い」と呼ばれる会食の席が設けられることがよくあります。この食事会の所要時間は1時間程度です。

ご葬儀・告別式

ご葬儀・告別式の儀式そのものにかかる時間は1〜2時間が目安です。一般葬や家族葬のように、規模が比較的小さい場合には、1時間以内で済むケースが多く見られます。

一方、社葬や団体葬のように、規模が比較的大きい場合には、1時間以上かかることが多いです。お通夜と同じく、所要時間は参列者の人数や儀式の規模などによって変動します。

花入れの儀・出棺

花入れの儀とは、出棺の際に故人様が眠る棺の中に花を納める儀式のことです。「お花入れ」や「お別れの儀」とも呼ばれており、この時間は故人様と最後のお別れをする機会となります。所要時間は30分〜1時間程度です。

火葬・お骨上げ（収骨）

火葬にかかる時間は1〜1時間半が目安です。火葬場までの移動時間や儀式までの待機時間を含めると、2時間以上かかる場合があります。

また、火葬の後にはご遺族や親族が中心となってお骨上げを行うのが通例です。所要時間は30分程度となります。

精進落とし

精進落としとは、ご葬儀・告別式の後に行われる会食のことです。元々は忌明けに精進期間を終えるための儀式でしたが、現代ではお世話になった方々へ感謝を伝える場として定着しているため、火葬後すぐに行われるケースが多くなっています。所要時間は30分〜1時間程度です。

お通夜のタイムスケジュール

ここからは、一般葬におけるお通夜のタイムスケジュールについて解説していきます。お通夜の開始時間は18〜19時頃が一般的です。今回は、18時に開始する場合のスケジュールの一例をご紹介します。

14:00～16:00：納棺

ご遺族はお通夜の前に行われる納棺に立ち会います。納棺とは、故人様のご遺体を棺に納める儀式のことです。基本的な流れとしては 「湯灌（ゆかん）」と呼ばれるお清めの儀式を行い、その後に故人様のご遺体と思い出の品を棺に納めていきます。

17:00：親族集合

ご遺族以外の親族はお通夜が始まる1時間前を目安に集合します。会場に到着したら、ご遺族にお悔やみの言葉を伝えた上で、何か手伝えることがないか確認してみると良いでしょう。

17:00 ：受付開始

お通夜開始の1時間前 あたりから一般参列者の受付が始まります。参列者は開式時刻の10分前には受付を済ませ、式場内の席に座って開式を待ちましょう。受付ではお悔やみの言葉を述べた後、芳名帳の記入や香典の受け渡しを行います。

18:00：お通夜

定刻を迎えると、司会者が開式を宣言し、お通夜が始まります。参列者の人数などにもよりますが、一般葬では1時間程度で済むことが多いです。お通夜では僧侶の読経や参列者による焼香、喪主の挨拶などが行われます。

19:00：通夜振る舞い

お通夜の後には「通夜振る舞い」という会食が行われることがあります。通夜振る舞いには故人様の供養や参列者へのおもてなしといった意味があるため、ご遺族からお招きいただいた際は、可能な限り参加しましょう。この食事会は1時間程度で散会するケースがほとんどです。

ご葬儀・告別式のタイムスケジュール

続いて、一般葬におけるご葬儀・告別式のタイムスケジュールについて解説していきます。ご葬儀・告別式は火葬場との兼ね合いがあるため、午前中に開始するのが一般的です。今回は、10時に開始する場合のスケジュールの一例をご紹介します。

9:00：親族集合

ご遺族や親族はご葬儀・告別式が始まる1時間前を目安に集合します。一般葬では1日目にお通夜を行い、2日目のご葬儀・告別式も同じ会場で行うことが多いです。会場に到着した後は、葬儀社のスタッフと段取りの最終確認を行い、指示があるまで控室で待機します。

9:00 ：受付開始

ご葬儀・告別式開始の30分前あたりから一般参列者の受付が始まります。参列者は時間に余裕を持って会場へ向かい、開式時刻の10分前には着席しておきましょう。お通夜と同様に、受付ではお悔やみの言葉を述べた後、芳名帳の記入や香典の受け渡しを行います。（お通夜で香典を渡している場合は、改めて香典を渡す必要はありません。）

10:00：ご葬儀・告別式

定刻を迎えると、僧侶が入場し、ご葬儀・告別式が始まります。開式から閉式までの時間は1時間程度です。ご葬儀・告別式では僧侶による読経や参列者による焼香、弔電の紹介などが行われます。

11:00：出棺・火葬

ご葬儀・告別式が閉式した後は、参列者全員で出棺を見送り、ご遺族などの近親者は火葬場に移動します。火葬にかかる時間は1〜2時間程度です。その間、ご遺族などの参列者は控室で待機し、精進落としが用意されていればいただきましょう。

13:00：お骨上げ（収骨）

火葬が終わったら、係員が用意した箸を使い、遺骨を拾い上げて骨壷に納めます。お骨上げは「喪主→ご遺族→親族→友人・知人」と故人様と関係が深い方から順番に、二人一組となって行うのが通例です。足の方から順に収骨し、最後に喉仏を納めたら、お骨上げは終了となります。

14:00：精進落とし

お骨上げの後には「精進落とし」という会食が行われることがあります。精進落としには僧侶や参列者を労う意味があり、近年では火葬を待つ間に会食の時間を設けるケースも珍しくありません。精進落としの時間は30分〜1時間が目安です。

お葬式以外の所要時間は？

故人様が亡くなってからご葬儀が終わるまでの所要日数は3〜5日程度です。初日はご遺体の搬送や葬儀社との打ち合わせを行い、2日目にお通夜、3日目にご葬儀・告別式を行うのが基本的な流れとなります。故人様が亡くなった当日にやるべきことと所要時間は以下のとおりです。

日本の法律では死亡後24時間以内の埋葬・火葬が禁止されています。そのため、お通夜は亡くなった日の翌日、ご葬儀・告別式は亡くなった日の翌々日に行うのが一般的です。

また、ご葬儀の後には事務的な手続きや法要の準備などを行わなければなりません。具体的には次のようなものが挙げられます。

公的手続きに関しては、明確な期限が定められているものが多いです。例えば、年金受給停止の手続きは厚生年金なら死亡後10日以内、国民年金なら死亡後14日以内に行わなければなりません。ご葬儀の後はやるべきことが多いため、必要に応じて専門業者に依頼するのもおすすめです。

まとめ

ご葬儀の所要時間は喪主側なら5〜6時間、参列者側なら1〜2時間が目安です。しかし、実際にかかる時間はご葬儀の形式をはじめ、参列者の人数や火葬場の混雑状況などによって変動します。

ご葬儀は故人様と最後のお別れをする大切な機会です。穏やかな気持ちでお見送りできるよう、余裕を持ったスケジューリングを心掛けましょう。