葬式で降る「涙雨」の意味とは?使い方や例文、雨の日に必要なものも解説
ご葬儀の日に雨が降ることを「涙雨(なみだあめ)」といいます。涙雨は弔事の場で特別な意味を持つ言葉であるため、正確な意味や使い方を理解しておくことが大切です。
本記事では、涙雨の意味や使い方を例文付きでご紹介します。さらに雨の日のご葬儀における持ち物についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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お葬式で降る雨が「涙雨」と呼ばれる
涙雨とは、ご葬儀の日に降る雨のことを指します。気象用語ではなく、空から降る雨を悲しみの涙に例えた比喩的な表現です。涙雨にはさまざまな意味があるため、次の見出しで詳しくご説明します。
涙雨の意味
弔事の場での涙雨は深い悲しみを表す言葉です。具体的には次のような意味があります。
<涙雨の意味>
●天が涙を流している
●故人様があの世で涙を流している
●ご遺族や参列者の涙が雨となって降っている
涙雨は悲しみを象徴する言葉ですが、前向きな意味で使われたり、解釈されたりすることも多いです。例えば、雨を故人様の涙になぞらえる場合、この世への未練ではなく、参列者への感謝の気持ちを表しているとも考えられます。
涙雨に前向きな意味を受け止めることで、心の持ちようが変わり、穏やかな気持ちで故人様を偲ぶことができるでしょう。
涙雨はどのように使う?
「涙雨」という言葉はご遺族と参列者のどちらも使うことができます。それぞれの立場での使い方を確認し、状況に応じて使い分けられるようにしておきましょう。
喪主・ご遺族
ご遺族の立場で涙雨を使う場面としては、喪主の挨拶やご葬儀後のお礼(お礼状)が挙げられます。大切な方を亡くした直後は気持ちの整理がつかないことがほとんどです。そのため、故人様や参列者の心に寄り添った表現を心掛けると良いでしょう。
本日はお足元の悪い中、父〇〇の葬儀にお運びいただきまして、誠にありがとうございます。
あいにくの涙雨となりましたが、まるで父が皆さまに最後のお別れを告げているように感じております。
このように皆様にお見送りいただき、父もさぞかし喜んでいることでしょう。
残された私どもは未熟者ではございますが、今後とも故人同様、ご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。
拝啓
このたびは故〇〇儀葬儀に際しまして ご多忙のところご会葬を賜り 誠にありがとうございました
当日はあいにくの涙雨となりましたが まるで〇〇を偲ぶかのように静かに降る雨に 温かいお心遣いを感じました
皆さまにお見送りいただき 〇〇も安らかに旅立つことができたことと存じます
〇〇に代わりまして生前のご厚誼に深くお礼を申し上げますとともに 今後とも変わらぬごご指導を賜りますようお願い申し上げます
略儀ながら書中をもってお礼に代えさせていただきます
敬具
参列者
参列者の立場の場合、お悔やみの言葉を伝えるときに涙雨という表現を用います。涙雨は故人様を偲ぶ言葉として使われていますが、日本では雨が「恵み」や「吉兆」と捉えられることもあるため、お悔やみの言葉に添えるときには注意が必要です。
このたびは突然のことで言葉も見つかりません。
本日の涙雨はお別れを惜しむ多くの方々の想いを代弁しているようです。
故人様のご冥福を心よりお祈りいたします。
先日はご葬儀にお招きいただき、心より感謝申し上げます。
当日は涙雨の中でのお見送りとなり、まるで〇〇様の優しさが空から降り注いでいるように感じました。
あらためて〇〇様のご冥福をお祈り申し上げます。
雨の日のお葬式に持っていくものは?
ご葬儀は天候の影響を受けず、雨の日でも執り行われるのが一般的です。ここでは、雨の日のご葬儀に持っていくものや基本的なマナーについて解説します。
傘
雨の日のご葬儀に持参する傘は黒色で無地のものが適しています。黒以外では紺やグレー、無地以外ではワンポイント程度など落ち着いた色や柄のものであれば問題ありません。そのような傘を持ち合わせていない場合は、スーパーやコンビニでビニール傘を購入しましょう。
また、会場の傘立てには同じような傘が並ぶため、どれが自分の傘なのか分からなくなる可能性があります。取り違えを防ぐには持ち手部分に目印を付けるなどの工夫が必要です。
レインコート(カッパ)
傘の代わりにレインコートやカッパを着用しても構いません。これらの雨具に関しても、派手な色や柄は避けるのがマナーです。会場に到着したら、レインコートやカッパはすぐに脱ぐため、収納用の袋も用意しておきましょう。
雨靴(レインブーツ)
雨靴(レインブーツ)をお持ちの方は、そちらを着用するのもおすすめです。傘やレインコート同様に、黒色または落ち着いた色のものを選び、柄物は避けるようにしてください。
また、会場内ではフォーマルな靴に履き替える必要があります。そのため、雨靴をしまうための袋や参列用の革靴・パンプスも忘れずに持参しましょう。雨靴をお持ちでない方は、防水クリームなどで対策するのも一案です。
タオル
タオルがあれば濡れた服や持ち物を拭くことができます。濡れた状態でご葬儀に参列するのはマナー違反とされているため、会場に入る前にタオルまたはハンカチで水滴を拭き取りましょう。
タオルに関しても、派手なデザインは避け、できるだけシンプルなものを選ぶのが無難です。色は白色または黒色が適しています。
ビニール袋
ビニール袋があれば雨で濡れたものを入れることができ、他のものに汚れが移ることも防げます。折りたたみ傘やレインコート、雨靴などを使う場合は、ビニール袋もあわせて持参すると良いでしょう。
予備の靴下やストッキング
雨の日は靴下やストッキングが濡れてしまうこともあります。会場によっては靴を脱いであがることもあるため、予備を用意しておくと安心です。
まとめ
雨の日のご葬儀では「涙雨」という言葉を使って故人様を偲ぶことがあります。涙雨の解釈は故人様との関係性やご遺族の心境などによって異なるため、使い方には注意が必要です。
また、雨の日のご葬儀に参列する際は、服や持ち物、会場を濡らさないように雨具を持参することが求められます。必要に応じてタオルやビニール袋なども用意し、ご自身だけではなく、他の参列者も快適に過ごせるようにしましょう。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。



