お葬式はいつまでに執り行えば良い?日程の決め方ややってはいけない日を解説
大切な方を亡くされた 際、ご葬儀はいつまでに行う必要があるのでしょうか。お別れは名残惜しいものですが、ご遺体の保全には限界があるため、あまり長引かせることはできません。
本記事では、ご葬儀を執り行うタイミングや日程の決め方、やってはいけない日について解説します。
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お葬式はいつまでに執り行う?
ご葬儀はいつまでに行わなくてはならないという決まりはありません。しかし、安置する場所やご遺体の腐敗などを考慮すると、なるべく早いほうが望ましいです。
一般的には故人様が亡くなられた 翌日にお通夜を行い、翌々日にご葬儀・告別式を行います。年末年始は多くの火葬場が休業するため、お通夜・ご葬儀の日程は1月4日以降にずれ込むケースがほとんどです。
法律上、24時間以内は火葬できない
日本の法律では死亡後24時間以内の火葬は原則禁止されています。
埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後二十四時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。但し妊娠七箇月に満たない死産のときは、この限りでない。
したがって、故人様が亡くなった翌日以降でなければ火葬を行うことはできません。火葬はご葬儀・告別式と同じ日に行うのが一般的ですが、これは法律により、死亡後24時間以内の火葬が禁止されているためです。
また、24時間が経過した後の火葬については、特に期限は定められていません。しかし、ご遺体の安置期間が長くなると、腐敗の進行や保冷コストの増加といった問題が発生するため、ご逝去から数日以内に火葬を済ませることが多いです。
お葬式の日程はどうやって決める?
ご葬儀の日程を決める際には、いくつか考慮しなければならないことがあります。いざというときに迅速かつ的確な対応が取れるよう、基本的なポイントを押さえておきましょう。
火葬場の空き状況を確認する
ご葬儀の日程を決める上で、まず考慮すべきは火葬場の空き状況です。火葬場は1日に対応できる件数が限られており、ご葬儀の日程を決めてからでは希望の日時に予約できない場合があります。特に年末年始 ・真夏・真冬の時期は混雑することが多いため、注意が必要です。
なお、火葬場の予約は原則として葬儀社が行います。多くの火葬場は個人での予約を受け付けていないため、火葬場の予約は速やかに葬儀社に依頼しましょう。
菩提寺や僧侶の予定を確認する
仏式のご葬儀では僧侶を招いて読経してもらうのが通例です。そのため、寺院に連絡を入れ、僧侶の予定を確認する必要があります。菩提寺がある方はそちらに連絡し、ない方は葬儀社に連絡しましょう。
ご葬儀の日程を相談するときは、早くていつ頃なら可能かどうかを確認することが大切です。寺院側にも都合があり、必ずしも希望どおりになるとは限りません。もし都合が合わないようであれば、菩提寺や葬儀社に同じ宗派の寺院を紹介してもらい、その寺院に連絡して僧侶を手配しましょう。
また、連絡を入れる前に話す内容を整理しておけば、打ち合わせをスムーズに進められます。僧侶に伝える内容は故人様の名前・死亡日時・享年などです。葬儀社が寺院と連絡を取り合い、僧侶を手配することもあるため、あらかじめ相談しておくと良いでしょう。
ご遺族の予定に合わせる
ご葬儀の日程はご遺族の予定も考慮して検討する必要があります。特に故人様の配偶者やお子様など近親者が参列できるように配慮することが重要です。どうしても参列してほしい方には、ご葬儀の日程が確定する前に連絡を入れておきましょう。
お葬式をやってはいけない日はある?
法律上または宗教上、ご葬儀をやってはいけない日はありません。しかし、宗教や地域、風習の違いなどで良くないとされる日はあります。
代表的な例として「友引」と「仏滅」が挙げられますが、これらの日とご葬儀の日程が重なる場合は、どのように対応すれば良いのでしょうか。以下では、友引と仏滅のご葬儀について詳しく解説します。
「友引」にお葬式をしてもいい?
友引とは、「勝負の決着がつかない日」を意味する六曜の一つです。六曜は民間信仰の一種であり、仏教とは関係がないため、友引にご葬儀を行っても問題ありません。
しかし、日本には古くから友引にご葬儀を避ける風習があります。これは「友引」という文字が友を引き連れていく(故人様が友人をあの世に連れていく)ことを連想させるためです。迷信とされているの、古くから友引は縁起が悪いとされてきたため、ご葬儀では避けられる傾向があります。
また、前述した風習の影響もあり、友引を定休日とする火葬場は多いです。火葬はご葬儀と同じ日に行うのが一般的なため、これらの点も考慮して日程を調整する必要があります。
「仏滅」にお葬式をしてもいい?
仏滅とは、「仏が滅ぶような凶日」を意味する六曜の一つです。その字面から仏事は避けたほうが良いと思われがちですが、友引と同様に、仏滅にご葬儀を行っても問題ありません。
ちなみに、仏滅は新しいことを始めるには良くない日とされています。ご葬儀は故人様を供養する日であるため、特に気にする必要はないでしょう。
【注意】地域の風習によってお通夜・ご葬儀の日程は変わる
お通夜は故人様が亡くなった翌日に行い、ご葬儀・告別式は翌々日に行うのが一般的です。しかし、お通夜・ご葬儀の日程は地域の風習によって異なるため、事前に確認しておく必要があります。それぞれの地域に伝わる風習については、地元の葬儀社や年長の親族などに確認すると良いでしょう。
とはいえ、現代では地域の風習をあまり気にしない方も多いです。ご葬儀の形式は多様化しているため、古くからの風習にこだわりすぎず、参列者の都合で決めても差し支えないでしょう。
また、火葬の日程に関しても、地域差があるので注意が必要です。火葬にはご葬儀・告別式の後に行う「後火葬」と前に行う「前火葬」があります。全国的に多いのは後火葬ですが、一部の地域では前火葬が通例となっているため、ご葬儀の流れについてもしっかり確認しておきましょう。
まとめ
今回は、ご葬儀を執り行うタイミングや日程の決め方などについて解説しました。ご葬儀はいつまでに行わなくてはならないという明確な決まりはありませんが、安置する場所やご遺体の腐敗などを考慮すると、早めに行うのが望ましいといえます。
また、ご葬儀の日程は喪主を中心としたご遺族、菩提寺や希望する寺院の僧侶、葬儀社の担当者が相談して決めるのが一般的です。さらに火葬場の空き状況も考慮して検討する必要があるため、できるだけ早く関係各所に連絡し、日程調整を行うことをおすすめします。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。



