喪中に厄払いはしても良いの?厄払いの流れや祈祷を受ける際のマナーをご紹介

喪中は故人様を偲び、身を慎む期間とされています。そのため、厄払いも控えたほうが良いのかと気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、喪中期間における厄払いの可否について解説します。厄払いの流れやマナーにも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
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喪中に厄払いはしても良い?
結論から申し上げますと、喪中に厄払いを受けることは可能です。しかし、寺院と神社で考えが異なるため、以下で詳しく解説します。
寺院の場合
寺院での厄払い(厄除け)は喪中でも受けられます。仏教では死を穢れとみなさないため、喪中であっても境内に入り、厄払いを受けることが可能です。喪中期間にどうしても厄払いをしたい場合は、寺院に依頼すると良いでしょう。
神社の場合
神社での厄払いは四十九日が過ぎるまで(忌明けを迎えるまで)は控えるのが一般的です。神道では死を穢れとしており、神域に穢れを持ち込むことはタブーとされています。したがって、喪中に神社で厄払いを受けるのは好ましくありません。
そもそも厄払いとは?
厄払いとは、自分の身に降りかかる災厄を祓うため、祈祷を受けることをいいます。一般的に、厄払いは「厄年」に行うことが多いですが、ご家族に不運が続いているときや新車を購入したときなど厄年以外に行うことも珍しくありません。厄払いによって邪気や穢れを祓うことで、1年を無事に過ごせるといわれています。
厄払いの流れ
日本には数多くの寺院や神社がありますが、厄払いの流れに大きな違いはありません。基本的な流れは以下のとおりです。
<厄払いの流れ>
1. 受付で祈祷を予約する
2. 指定された時間に祈祷場所へ行く
3. 祈祷を受ける
4. お札を受け取る
それでは、各ステップについて詳しく見ていきましょう。
受付で祈祷を予約する
まずは寺院や神社の受付で祈祷を予約します。申し込みには祈祷を受ける方の氏名・住所・生年月日などの情報が必要です。近年では事前予約が必要なケースが増えているため、あらかじめホームページや電話などで確認しておきましょう。
また、予約方法だけでなく、祈祷時間も寺院や神社によって異なります。祭典などの理由により、祈祷が行われない日もあるため、施設側のスケジュールも事前に確認しておくと安心です。
指定された時間に祈祷場所へ行く
祈祷の予約が完了したら、指定された時間に集合場所へ向かいます。自分の番が来るまでは待合室などで待機することになりますが、その際は周りの方に迷惑をかけないよう、静かに過ごすことが大切です。祈祷の開始時間になると、儀式を行う場所(本堂や本殿など)に案内されるため、指示に従って移動しましょう。
祈祷を受ける
本殿に上がると、僧侶や神職による厄払いの儀式が行われます。寺院での厄払い(厄除け)は護摩祈祷、神社での厄払いはお祓いが一般的です。儀式の中では起立や拝礼をする場面もありますが、その都度指示してもらえるため、作法に詳しくなくても心配ありません。
お札を受け取る
祈祷を受けた方にはお札が授与されます。このお札は災いから身を守るものとされており、受け取った方はご自宅の適切な場所(仏壇や神棚など)に飾るのが習わしです。
なお、お札の効力は1年程度で弱まるといわれています。そのため、一般的には授与から1年が経過したタイミングで寺社に返納することが多いです。
厄払いを受ける際のマナー
最後に、厄払いに関する基本マナーをご紹介します。いざというときに慌てないためにも、この機会に覚えておきましょう。
服装
厄払いを受ける際の服装に明確な決まりはありません。しかし、仏様や神様に災難を取り払ってもらうための参拝であることから、落ち着いた服装を選ぶのが望ましいとされています。
男性はスーツやジャケット、女性はスーツやワンピースなどを着用するのが無難です。ラフな格好や派手な服装は祈祷にふさわしくないので控えましょう。
また、寺院の場合は本堂、神社の場合は本殿に上がることがあります。その際、裸足で上がるのはマナー違反とされているため、サンダルやミュールなどの履き物も避けるようにしてください。
厄払いではフォーマルまたはそれに近い服装が求められます。寺社によっては服装を指定している場合もあるので注意が必要です。
のし袋
寺院で祈祷を受ける際には「お布施」、神社で祈祷を受ける際には「初穂料」を持参するのが一般的です。いずれも祈祷のお礼として用意する金銭であり、この謝礼はのし袋に包んで渡すのがマナーとされています。のし袋がない場合は、白無地の封筒で代用することが可能です。
以下の表に、厄払いにおけるのし袋・封筒の書き方をまとめましたので、そちらもあわせてご覧ください。
外袋の表面上部には表書きを記載します。寺院の場合は「御布施」や「御祈祷料」、神社の場合は「初穂料」や「御初穂料」などと書くのが一般的です。そして表面下部には祈祷を受ける方の氏名をフルネームで記載します。
また、中袋がない場合は、裏面の左側下部に住所・氏名・金額を書きましょう。金額に関しては、「金壱萬円也」というように、旧字体(大字)で記載するのが正式な作法とされています。
中袋の表面中央には金額を記載します。先ほども軽く触れましたが、金額は旧字体(大字)で書くのが正式な作法です。
また、裏面の左側下部には住所と氏名を記載します。中袋がない場合は、外袋の裏面左下に住所・氏名・金額を書きましょう。
初穂料の相場
神社に納める初穂料の金額は5,000〜10,000円程度が相場です。一方、寺院に納めるお布施の金額も5,000〜10,000円程度が目安とされています。神社や寺院によっては金額を指定しているところもあるため、あらかじめホームページや電話などで確認しておきましょう。
まとめ
今回は、喪中期間における厄払いの可否について解説しました。厄払いの依頼先には寺院と神社がありますが、喪中の場合は「寺院」に依頼するのが一般的です。
神社は神道の宗教施設であり、人の死を遠ざける風習があるため、四十九日が過ぎるまでは神社への参拝は控えるべきとされています。喪中期間にどうしても厄払いをしたい場合は、寺院で祈祷を受けることを検討してみると良いでしょう。
なお、寺社によって予約方法・祈祷時間・服装に関するルールは異なります。お布施や初穂料の金額が決まっている場合もあるため、事前にしっかり確認しておきましょう。
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