初盆と一周忌を一緒にしても良い?お布施やマナー、案内状の書き方を解説

初盆と一周忌のどちらも重要な法要ですが、故人様が亡くなったタイミングによってはこれらの時期が重なってしまうこともあります。その場合、2つの法要を同時に行っても良いのでしょうか。
本記事では、初盆と一周忌の時期が重なったときの対応について解説します。お布施の相場や案内状の書き方などについてもご説明しますので、ぜひ参考になさってください。
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初盆と一周忌は同時に行って良い
本来、初盆と一周忌は別々に行うものです。しかし、これらの時期が重なったり近くなったりした場合は、2つの法要を同時に行っても問題ありません。
短期間に複数の法要があると、準備を行う施主側はもちろん、足を運ぶ参列者側も大変です。ご遺族は僧侶を手配するのに苦労することもあります。そのため、初盆と一周忌の時期が重なったり、近くなったりする場合は、2つの法要を同時に行うことを検討すると良いでしょう。
別々に行う場合は一周忌を優先することが多い
初盆と一周忌のどちらも重要な法要ですが、双方の時期が近く、別々に行う場合は一周忌を優先することが多いです。これは、初盆と一周忌の目的の違いが理由として挙げられます。
●初盆…故人様の霊を初めて自宅に迎えて行う供養
●一周忌…前年に亡くなった故人様の供養
初盆が、故人様を含めたすべてのご先祖様を供養するための法要であるのに対して、一周忌は故人様のみを供養するための法要です。どちらかといえば、一周忌のほうが故人様にとって大切な行事であるため、優先されやすい傾向にあります。
初盆と一周忌を同時に行う場合のお布施
初盆と一周忌を同時に行う場合、お布施はどのようにすれば良いのでしょうか。ここでは、2つの法要を同時に行う場合のお布施について解説します。
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初盆と一周忌のお布施は、別々に用意するのが一般的です。同時に行うといっても、午前は一周忌、午後は初盆など、それぞれの法要を同じ日に分けて行うのが基本となります。お布施は法要ごとに用意する必要があるため、初盆と一周忌を同時に行う場合も、お布施は別々に用意するのが無難です。
初盆と一周忌のお布施の相場
お布施の金額に明確な決まりはありませんが、ある程度の目安はあります。初盆と一周忌のお布施は、30,000〜50,000円程度が相場です。
ただし、お布施の相場は地域や宗派、法要の規模によっても異なります。もしお布施の金額で迷われた場合は、菩提寺に確認してみるのも一つの手です。
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法要にはさまざまなマナーが存在するため、事前に把握しておくことが大切です。ここからは、初盆と一周忌を同時に行う際のマナーについて解説していきます。
服装のマナー
法要では喪服を着用するのが基本です。喪服には「正喪服」「準喪服」「略喪服」という3つの格式があり、弔事の種類やご自身の立場によってふさわしい装いが異なります。
初盆と一周忌を同時に行う場合、喪主や親族は正喪服または準喪服を着用するのが一般的です。最も格式が高い正喪服は喪主と三親等までの親族が着用するものとされていますが、近年では喪主や親族も準喪服を着用するケースが増えています。
また、参列者は準喪服または略喪服を着用するのが一般的です。親族以外の参列者が正喪服を着用するのは、マナー違反にあたるため避けましょう。
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詳しく見る【参列者】香典のマナー
ご遺族から香典辞退の案内がない限り、法要に参列する方は香典を持参するのがマナーとされています。初盆と一周忌を同時に行う法要に参列する場合、香典は1回分を用意すれば問題ありません。
この法要における香典の金額は、5,000〜10,000円程度が相場です。法要後に会食がある場合は、食事代として5,000〜10,000円ほど上乗せして包むのが良いでしょう。
ご葬儀のときと同様に、香典は不祝儀袋(香典袋)に包むのがマナーです。加えて、香典は袱紗(ふくさ)に包んで持参し、渡す直前に袱紗から取り出すのが正しい作法とされています。
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詳しく見る【喪主・ご遺族】香典返しのマナー
喪主やご遺族の立場にあり、参列者から香典をいただいた場合は、それに対するお礼の品(香典返し)を贈る必要があります。香典返しの金額相場は、「半返し」が基本です。半返しとは、いただいた香典の半分程度の金額の品物を贈ることを指します。
初盆と一周忌を同時に行う場合、香典返しの金額は3,000〜5,000円程度が目安です。お返しの品に関しては、「不祝儀を残さないように」という考えから、後に残らない「消えもの」が良いとされています。消えものとは、消費することでなくなるもの(食品や日用品など)を指す言葉です。
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法要に親族以外の方を招待する場合は、案内状を送るのが一般的です。案内状には日時・場所・会食の有無について記載し、返信依頼の内容も書き添えて先方の出欠を確認します。
初盆と一周忌を同時に行う場合は、その旨も記載しておきましょう。最後に、案内状を書く際のマナーや注意点をご紹介します。
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弔事の場では、不吉なことを連想させる「忌み言葉」を避けるのがマナーです。そのため、初盆や一周忌など法要の案内状を書くときも、忌み言葉は使わないように気をつけましょう。弔事の場で避けるべき忌み言葉には、次のようなものがあります。
忌み言葉 | 具体例 |
---|---|
生死を直接的に表す言葉 | 死ぬ、急死、生きていたことなど |
不幸・別れを連想させる言葉 | 終わる、薄い、壊れるなど |
不幸が続くことを連想させる言葉 | 再び、引き続き、追ってなど |
重ね言葉 | ますます、次々、重ね重ねなど |
案内状は縦書きにする
法要の案内状は縦書きがマナーとされています。現代の文書は横書きが主流ですが、儀礼的な場面では縦書きにするのが一般的です。パソコンを使って案内状を作成する場合も、横書きから縦書きに変更しましょう。
案内状の送付前に菩提寺や親族に確認しておく
初盆と一周忌を同時に行うことは可能ですが、地域や宗派、ご家庭の考えによっては難色を示されることもあるでしょう。法要を滞りなく行うためには、案内状を送る前に菩提寺や親族に確認しておくことが重要です。
まとめ
初盆と一周忌の時期が重なる・近くなる場合は、2つの法要を同時に行っても問題ありません。法要をまとめて行うときも、お布施は別々に用意するのが一般的です。
また、初盆と一周忌を同時に行う場合は、案内状にてその旨を記載しましょう。法要にはさまざまなマナーが存在し、地域や宗派による違いもあるため、これを機に少しずつ確認しておくことをおすすめします。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。