初盆は家族だけでできる?準備や流れ、マナーを分かりやすく解説

初盆では、近しい親族や故人様と親しかった方をお招きし、法要や会食を行うのが一般的です。そのため、「家族だけで過ごしてもいいのだろうか」と気になっている方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、初盆は家族だけでできるのかという疑問にお答えします。初盆を迎える際の準備やマナーについても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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家族だけで初盆はできる
結論からいうと、初盆は家族だけで行っても問題ありません。なぜなら、初盆には家族以外の方を招いて法要を執り行わなければならないという決まりがないからです。
近年では初盆を家族だけで行うケースが増えており、その背景には家族葬の普及などが考えられます。もし家族だけで過ごす場合は、無用なトラブルを避けるためにも、近しい関係者にはあらかじめ知らせておいたほうが良いでしょう。
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詳しく見る初盆(新盆)とは
初盆とは、故人様が亡くなられてから初めて迎えるお盆のことです。正確には、「四十九日の忌明け後に初めて迎えるお盆」のことを指します。
初盆では家族や親族、故人様の友人・知人が集まり、通常のお盆よりも手厚い供養を行うのが一般的です。なお、初盆は仏教行事ですが、浄土真宗では「亡くなった方はすぐに極楽浄土へ行ける」と考えられているため、基本的には初盆を行いません。
家族だけで初盆を行う際の準備
家族だけで初盆を行う場合にも、さまざまな準備が必要です。ここでは、初盆までに用意するもの、やるべきことについて解説します。
必要なもの一覧
家族以外の参列者の有無に関係なく、初盆では「お盆飾り」を用意するのが通例です。必要なものは地域によって異なりますが、一般的には次のようなものを飾り付けます。
初盆に必要なもの | 概要 |
---|---|
白提灯 | 初盆のときにだけ飾る白無地の盆提灯 |
精霊棚(盆棚) | ご先祖様や故人様の霊を迎えるための祭壇 |
精霊馬(しょうりょううま) | キュウリとナスで作るお供え物 |
その他お供え物 | ほおずき、まこも、水の子など |
白提灯は、初めて里帰りする故人様の霊が迷わないための目印として、精霊馬はご先祖様を送り迎えするための乗り物として飾るものです。お盆飾りには供養の意味があるため、地域の風習も確認した上で、必要なものを用意しましょう。
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詳しく見る僧侶を呼ぶ場合
初盆法要を行うのであれば、僧侶を手配しなければなりません。お盆の時期はどこの寺院も忙しいため、遅くても1ヶ月前には連絡しておきたいところです。
参列者が家族のみの場合、初盆法要は自宅で行うことが多いですが、必ずしもその限りではありません。法要を自宅で行うかどうかは宗派や寺院によっても異なるため、事前に確認しておきましょう。
家族だけで初盆を迎える際の流れ
初盆にはやることが意外と多いため、基本的な流れを把握しておくことも大切です。ここからは、家族だけで初盆を迎える際の流れについて解説していきます。
迎え火を焚いて故人様を迎える
迎え火とは、この世に帰ってくる故人様の霊が道に迷わないよう、目印として焚く火のことです。お盆の初日に行う儀式であり、火が見えやすくなる夕方以降に実施されることが多いですが、時間帯に明確な決まりはありません。
迎え火を焚く場所としては、ご自宅の玄関先や庭先、お墓などが挙げられます。最近では故人様のための目印として、白提灯だけを飾るご家庭も多いです。
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詳しく見る法要をしてもらう
初盆には僧侶をお招きし、法要をしてもらうのが一般的です。初盆法要は、お盆の月の14日または15日に執り行うことが多いですが、お盆期間であればいつ行っても問題ありません。この時期は法要が集中するため、早めの予約が必要です。
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詳しく見る送り火で故人様を送る
送り火とは、故人様の霊が無事にあの世へ戻れるよう、道しるべとして焚く火のことです。お盆の最終日に行う儀式であり、前述した迎え火と同様に、日が暮れてからご自宅の玄関先や庭先、お墓などで実施するのが通例となっています。
家族だけで初盆を迎える際のマナー
家族だけで初盆を行う場合、どのような服装で参列し、何を持参すれば良いのでしょうか。ここでは、家族のみの初盆における基本的なマナーをご紹介します。
正しい服装で参列する
初盆は弔事に該当するため、厳粛な場にふさわしい服装が求められます。家族だけで初盆を行う場合、一般的には平服を着用することが多いです。
弔事における平服とは、格式の低い喪服、いわゆる略喪服のことを指します。普段着ではないため、カジュアルな服装で参列しないように注意しましょう。以下の表に、初盆における一般的な服装をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
参列者の性別・年齢 | 服装(平服の場合) |
---|---|
男性 |
服:ダークスーツ+白無地のシャツ 小物:黒のネクタイ、ベルト、靴下、革靴 |
女性 |
服:ダークカラーのワンピース(白のブラウス+ダークカラーのスカート・パンツ) 小物:パールのネックレス、イヤリング |
子ども | 学校指定の制服または落ち着いた色・デザインの服(白シャツにダークカラーのズボンなど) |
なお、お盆の時期は気温が高いため、ジャケットやネクタイは無理に着用する必要はありません。
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前述のとおり、初盆では親族をお招きするのが通例です。そのため、親族の方の中には法要への参列を考えている方もいらっしゃるでしょう。
事前連絡なしに初盆を行えば、先方の気分を害したり、関係が悪化したりするかもしれません。このようなトラブルを防ぐためには、親族への連絡を事前にしておくことが大切です。
僧侶に渡すお布施を用意する
お布施とは、僧侶に渡す謝礼のことです。初盆法要を営むために僧侶をお呼びする場合は、お布施を用意する必要があります。
お布施の金額に明確な決まりはありませんが、初盆では30,000〜50,000円程度を包むご家庭が多いようです。この相場はあくまで目安であり、お布施の金額は地域の風習や寺院の考え方によっても変動します。
また、お布施は直接手渡しせず、袱紗(ふくさ)や切手盆(きってぼん)にのせて渡すのがマナーです。その際、「本日はお勤めありがとうございました」など、感謝の気持ちが伝わる言葉を伝えると良いでしょう。
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家族だけで初盆を行う場合でも、香典を用意するのがマナーです。香典の金額は、故人様との関係性によって変わります。初盆における香典の金額相場は、以下のとおりです。
故人様との関係性 | 金額相場 |
---|---|
両親 | 10,000〜30,000円 |
兄弟姉妹 | 10,000〜30,000円 |
祖父母 | 5,000〜10,000円 |
叔母・叔父・伯母・伯父 | 5,000〜10,000円 |
なお、香典の金額は故人様との関係性の深さに加えて、地域や宗派によっても変動します。不安な場合は、周囲の方に相談してみると良いでしょう。
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詳しく見るまとめ
初盆は、家族だけで行っても問題ありません。家族のみで過ごす場合も、お盆飾りを用意したり、迎え火・送り火を焚いたりするのが基本です。初盆の過ごし方は地域や宗派によって異なるため、その点も含めて準備を進めましょう。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。