お通夜では数珠を持参するのがマナー!必要な理由や種類、持ち方を徹底解説
お通夜やご葬儀の報せを受け、喪服を整える際に忘れてはならないのが「数珠 (じゅず)」です。仏教形式の葬儀において、数珠は単なるアクセサリーや形式的な持ち物ではなく、参列者が仏様や故人様と向き合うための最も神聖な仏具とされています。
しかし、いざ準備をしようとすると「自分の宗派のものでなくていいのか?」 「色が派手すぎないか?」といった疑問が湧いてくるものです。本記事では、お通夜に参列する前に知っておきたい数珠の基礎知識とマナーを、分かりやすく丁寧に解説します。
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なぜお通夜で数珠が必要なのか? その深い理由
数珠は、別名「念珠(ねんじゅ)」とも呼ばれます。文字通り、念仏を唱える際にその回数を数えるための道具ですが、それ以上に重要な2つの精神的な意味が込められています。
① 108の煩悩を払い、身を清める
仏教では、人間には「108つの煩悩 (欲や迷い)」があると考えられています。数珠の基本となる玉の数「108」はこれに由来します。数珠を手に持つことで、自分自身の中にある煩悩を払い、清らかな心で故人様を供養できる状態に整えてくれるといわれています。
② 故人様や仏様と心を通わせる「架け橋」
数珠は、仏様や故人様と私たちを繋ぐ「目に見える絆」としての役割も果たします。合掌する手に数珠をかけることで、私たちの祈りがより深く故人様に届き、仏様の世界へと導かれる助けになると信じられています。いわば、現世と来世を繋ぐチケットのような存在なのです。
【注意】仏教以外では使用しない
数珠は仏教特有の道具です。神道 (神式) やキリスト教のご葬儀に参列する場合、数珠は持参しません。もし、自分の信仰が仏教以外である場合も、基本的には数珠を持つ必要はないとされていますが、周囲への配慮として日本の習慣に倣い持参しても失礼にはあたりません。
数珠を忘れた! どこで買う? 貸し借りはOK?
急なお通夜で数珠が見当たらない場合、焦ってしまいがちです。ここでは緊急時の対応についてお伝えします。
数珠はどこで購入できるか
かつては仏具店でしか手に入らなかった数珠ですが、現在は驚くほど身近な場所で販売されています。
• 仏具専門店: 最も確実で、長く使える高品質なものが手に入ります。
• 百貨店・紳士服店: 喪服売り場の近くに必ず置いてあります。
• コンビニ・スーパー: 葬儀場の近くや住宅街の店舗では、緊急用としてレジ付近や日用品コーナーに置かれていることが多いです。
• 100円ショップ: 簡易的なアクリル製などの数珠が販売されています。
「安い数珠では失礼になるのでは?」と心配される方もいますが、最も大切なのは「供養したい」という気持ちです。忘れたまま合掌するよりは、簡易的なものであっても用意したほうが、礼を尽くしていると言えるでしょう。
【重要】数珠の貸し借りは絶対にNG
「数珠を忘れたから、連れの人に貸してほしい」と頼むのは、弔事における大きなマナー違反です。
数珠は「持ち主の分身」であり「厄除けのお守り」としての性質を持っています。その人の魂が宿るものとされているため、たとえ家族間であっても貸し借りは避けるべきです。もし用意が間に合わなかった場合は、無理に借りるのではなく、数珠を持たずに心を込めて合掌しましょう。
「本式数珠」と「略式数珠」の違いを知る
数珠には大きく分けて2つのタイプがあります。
① 本式数珠 (宗派別の数珠)
その宗派ごとに定められた正式な形をした数珠です。
• 特徴: 玉の数が108個あり、輪が長く、二重にして手に持つのが一般的です。
• 選び方: 自分が信仰している宗派が決まっている場合は、その宗派専用の本式数珠を持つのが最も丁寧です。
② 略式数珠(片手数珠)
宗派を問わず、どの仏教形式の葬儀でも使える汎用性の高い数珠です。
• 特徴: 玉の数が54個や27個、あるいは18個など、108の端数(割った数)で作られています。一重の輪になっており、持ち運びに便利です。
• 選び方: 現在、多くの参列者がこの略式数珠を使用しています。一つ持っておけば、友人や仕事関係の葬儀など、相手の宗派が分からない場合でも安心して使えます。
男女別・年齢別の選び方のポイント
数珠にはサイズやデザインに明確な区分があります。
• 男性用: 玉の直径が10mm~18mmと大きく、重厚感のあるデザインです。黒檀(こくたん)などの木製や、オニキス、虎目石などの天然石が人気です。
• 女性用: 玉が6mm~9mmと小さく、繊細で華やかな印象です。水晶、ローズクォーツ、真珠などがよく用いられます。房の色も、淡いピンクや藤色などバリエーションが豊富です。
• 子ども用: 小さな手に合わせて輪を小さく作り、アクリルなどの割れにくい素材を使用しているものが多いです。早い段階から持たせることで、命の大切さを学ぶ機会にもなります。
実践! お通夜での数珠の持ち方・マナー
数珠を持つ動作一つひとつにも、故人様への敬意が表れます。
持ち歩くとき・座っているとき
• 数珠は左手で持つのが基本です。
• 歩く際は左手の手首にかけるか、房を下に垂らして左手で握ります。
• 椅子に座っている間も、バッグの中に入れっぱなしにせず、左手にかけておきます。決して椅子や畳の上に直接置かないようにしましょう。
合掌するときの持ち方(一般的な方法)
宗派によって細かなルールはありますが、一般的な略式数珠の場合は以下の通りです。
1. 両手を合わせた状態で、親指と人差し指の間に数珠をかけます。
2. 数珠の輪を両手で囲むようにし、房は下に垂らします。
3. 親指で数珠を軽く押さえるようにして拝みます。
宗派別の主な特徴 (参考)
• 浄土宗: 房を下にして両手にかけ、親指で押さえます。
• 曹洞宗: 輪をひねって二重にし、中指にかけます。
• 日蓮宗: 独特の「勤行数珠」を使用し、特定の指にかける作法があります。
※これらは本式数珠を用いる場合により重要視されます。略式数珠であれば、上記「一般的な方法」で失礼にはあたりません。
数珠を使い終わった後の手入れと保管
数珠は長く使うことで、自分自身の「守り刀」のようになります。
• 手入れ: 使用後は柔らかい布で汗や脂を拭き取りましょう。特に天然石や木製の玉は、水分を嫌います。
• 保管: むき出しで置かず、必ず専用の「数珠入れ(数珠袋)」に入れて保管しましょう。数珠入れは、房の型崩れを防ぐだけでなく、仏具としての尊厳を守るためにも必要です。
まとめ: 一粒一粒に心を込めて
お通夜における数珠は、単なるマナーの道具ではありません。それは、あなたがこれまで故人様と紡いできた時間を振り返り、その安らかな旅立ちを祈るための「心の拠り所」です。
本式であっても略式であっても、一粒一粒の玉に感謝を込め、大切に扱うこと。その姿勢こそが、ご遺族や故人様にとって何よりの供養となります。
これから数珠を選ばれる方も、久しぶりに数珠を取り出す方も、ぜひその意味を噛み締めながらお通夜の席に臨んでください。数珠を通じたあなたの祈りは、きっと温かな光となって故人様へ届くはずです。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。



