訃報を後で知った場合はどうする?マナーや手紙の書き方まで詳しく解説
故人様がお亡くなりになったことをお知らせする「訃報」。本来であれば、お通夜やご葬儀の前に届くものですが、近年ではご葬儀が終わった後や、数ヶ月経ってから訃報を知るというケースも珍しくありません。
「なぜ教えてくれなかったのか」と困惑したり、「今さらお悔やみを伝えても失礼ではないか」と悩んだりすることもあるでしょう。しかし、たとえご葬儀に参列できなかったとしても、故人様を偲び、ご遺族様に弔意を伝えたいという気持ちは大切なものです。
本記事では、訃報を後で知った際、ご遺族様の負担にならずに弔意を伝えるための基本マナー、お悔やみ状の書き方、香典やお供え物の送り方まで、詳しく解説してまいります。
コンテンツ
1. 訃報を後で知るケースが増えている背景
以前のように、地域社会や親戚縁者が一堂に会する大規模な一般葬が主流だった時代とは異なり、現代の葬儀事情は大きく変化しています。
家族葬・密葬の普及
現在、最も多い理由は「家族葬」の増加です。故人様やご遺族様の意向により、ご葬儀を近親者のみで静かに執り行い、すべての儀式が終わってから周囲に知らせる形式が一般的になりました。これにより、知人や友人、遠方の親戚が「喪中はがき」や「人づて」で初めて不幸を知るという状況が生まれています。
ライフスタイルの変化と連絡の遅れ
年賀状のやり取りが減り、SNSやメールでの交流が主となったことで、相手の家庭状況が見えにくくなっていることも要因の一つです。「メールの返信が遅いな」と思っていたら、ご遺族様から事後報告のメールが届いた、というのも現代ならではの光景です。
いかなる理由であれ、訃報を後で知ったからといって「薄情だ」と思われることはありません。大切なのは、知った時点からどのような形でお悔やみの想いを届けるかという、その心遣いにあります。
2. 訃報を後で知った直後にすべきこと
訃報を知った際、慌てて行動するのは禁物です。ご遺族様はご葬儀後の慌ただしい手続きや、深い喪失感の中にいます。まずは相手の状況を第一に考えましょう。
① まずは「電話やメール」で状況を確認する
まずはご遺族様に連絡を入れ、お悔やみを伝えます。この際、最も重要なのは「弔問、香典、お供えを受け付けているか」を確認することです。近年では、香典返し(お返し)の負担を考慮し、香典や供物を一切辞退されるご家庭も多いです。ご遺族様の意向を無視して「気持ちだから」と無理に送るのは、マナー違反であることを心得ましょう。
② ご遺族様の都合を聞いたうえで弔問する
遠方にいて訪問が難しいといったケースを除き、直接弔問するのが良いでしょう。弔問する日時はご遺族様の都合を聞いたうえで決めるようにしてください。このときは香典を持参しますが、お供えも一緒に渡すとより丁寧です。
③ 弔問できない場合は「お悔やみの手紙」を送る
弔問できない場合、お悔やみの手紙をしたためて香典やお供えと一緒に送ります。この場合も、香典、お供えを受け付けているか事前に確認しましょう。
3. 香典やお供え物を送る際の実務的なマナー
弔問せず、郵送で香典やお供え物を送る場合、以下のポイントを押さえておく必要があります。
① ふさわしい品物: 宗教による違い
品物を送る際は、宗教に合わせたものを選びます。
・仏式: 線香、ロウソク、お菓子(個包装のもの)
・神式・キリスト教: 果物、生花、焼き菓子 ※日持ちがするもの、小分けにできるものが喜ばれます。
② 表書き (のし)の書き方
時期によって表書きが変わるため注意が必要です。
・仏式: 四十九日前なら「御霊前」、四十九日後なら「御仏前」。
・浄土真宗: 時期に関わらず「御仏前」。(亡くなるとすぐ仏になると考えるため)
・神式: 「御玉串料(おたまぐしりょう)」「御神前」
・キリスト教: 「御花料(おはなりょう)」
③ 送り方: 現金は「現金書留」が鉄則
現金は普通郵便や宅配便で送ることは法律で禁止されています。必ず郵便局の窓口で「現金書留封筒」を購入し、その中に「不祝儀袋 (香典袋)」と「お悔やみの手紙」を一緒に入れて郵送の手続きを行ってください。
4. お悔やみ状 (手紙)の正しい書き方と作法
訃報を遅れて知った際の手紙は、通常のお悔やみ状よりも「知らなかったことへのお詫び」に重きを置きます。
便箋・封筒・ペンの選び方
手紙を書く際に使う便箋は真っ白のものを使用します。このとき、2枚になってしまうと「不幸が重なる」と連想させてしまうため、1枚に収めるのが理想です。封筒も二重になったタイプは避け、使用するペンは黒インクの万年筆またはボールペンを使いましょう。
ポイント①まずお悔やみの言葉を書く
冒頭にはお悔やみの言葉を書きますが、拝啓や謹啓、季節の挨拶文は必要ありません。
「○○様がご逝去されたとのお知らせに ただ驚いております」
「○○様のご逝去を悼み謹んでお悔やみ申し上げます」
ポイント②ご葬儀に参列できなかったお詫びを書く
弔問やご葬儀に参列できなかったことに対するお詫びの気持ちを伝えます。
「本来ならばすぐにでもかけつけてお別れを述べたいところですがどうしても都合が合わず誠に申し訳ございません」
「本来であればすぐにでも弔問に伺うべきところですが遠方のためままならず本当に申し訳ありません」
ポイント③ご遺族様への気遣いの言葉を書く
故人様への哀悼の気持ちだけでなく、ご遺族様へ配慮する言葉も書きます。
「ご家族の皆様もお寂しいことと存じますがお力をお落としになりませんようどうかご自愛ください」
「ご家族の皆様の悲しみはいかばかりかと拝察いたします」
ポイント④忌み言葉の使用を避ける
お悔やみの手紙では、死を直接連想させる忌み言葉や、不幸が続くことをイメージさせる重ね言葉の使用は控えてください。
・死を直接連想させる言葉: 死亡、死去、生きている頃
・不幸が続くことを連想させる言葉: 再び、続いて
・重ね言葉: 重ね重ね、たびたび
ポイント⑤簡潔にまとめる
先述したように、便箋1枚に収めるなど簡潔にまとめる工夫が大切です。故人様との思い出を振り返ったり、ご遺族様を気遣ったりする言葉を書いていると文章が長くなってしまうため注意しましょう。
5.状況別: お悔やみ状の文例
<例文1>
○○様がご逝去されたとのお知らせに ただ驚いております 本来ならばすぐにでもかけつけてお別れを述べたいところですがどうしても都合が合わず誠に申し訳ございません ご家族の皆様もお寂しいことと存じますがお力をお落としになりませんようどうかご自愛ください 心ばかりのものを同封いたしますので御霊前にお供えいただければと思いますまずは略儀ながら書面にてお悔やみ申し上げます
<例文2>
○○様のご逝去を悼み謹んでお悔やみ申し上げます ご家族の皆様の悲しみはいかばかりかと拝察いたします 本来であればすぐにでも弔問に伺うべきところですが遠方のためままならず本当に申し訳ありません 同封のものは心ばかりですが○○様のお好きだったものをお供えくださいませ まずは略儀ながら書面にてお悔やみ申し上げます
6. 訃報を喪中はがきで知った場合はどうする?
喪中はがきで知人の訃報を知った場合、どう対応すれば良いのか分からず慌ててしまうケースも珍しくありません。
喪中はがきは通常、11月中旬~12月初旬までには届きます。もし喪中はがきを受け取ったら、年賀状ではなく「喪中見舞い」「年始状」「寒中見舞い」のいずれかを出してください。
・喪中見舞い: 年明けを待たず年内に出す挨拶状のことです。
・年始状: 元日から松の内の間に届くように差し出す年賀状の代わりとなるものです。(おめでたい言葉は控えます)
・寒中見舞い: 松の内 (一般的に1/7以降)から節分の間までに出す挨拶状のことです。
出す時期によって挨拶状の名前は異なりますが、いずれも「喪中はがきをもらったことに対するお礼」 「訃報を知らなかったことに対するお詫び」 「ご遺族様への気遣いの言葉」を書きます。お悔やみ状の場合と同様に、忌み言葉を使わないようにしてください。
間違えのない葬儀社の選び方や注意点をはじめ、さまざまな葬儀の知識・マナーを分かりやすくお伝えします。



