初盆 の香典はいくらにすれば良い？関係別の相場やマナー、注意点を解説

そもそも初盆とは？

初盆とは、故人様が亡くなってから四十九日を過ぎたのち、初めて迎えるお盆のことを指します。故人様やご遺族にとって大切な意味を持つため、通常のお盆よりも手厚く供養するのが一般的です。

通常のお盆では親戚が故人様の家に集まって仏壇に手を合わせ、お墓参りをします。一方、初盆では法要を執り行うことが多いです。親戚の他にも、故人様の友人や知人をお招きし、僧侶に読経をしてもらいます。場合によっては会食の場が設けられることもあり、通常のお盆と比べると追悼供養としての性質が強いです。

【関係別】香典の金額目安

香典の相場は、故人様との関係性によって変わってきます。親族であれば血縁関係の濃さによって、友人・知人であれば生前の親交の深さによって相場はさまざまです。ここでは、故人様との関係別に香典の金額目安をご紹介します。

親の場合

故人様が実の親である場合、初盆の香典の金額は10,000〜30,000円が目安です。香典を包む方の年齢によっても相場が変わり、一般的には年齢が高くなるほど相場も高くなる傾向があります。

子供の場合

故人様が実の子供である場合も、初盆の香典の金額は10,000〜30,000円が目安となります。親や子供は一親等であるため、他の方よりも高額な香典を包むのが一般的です。

兄弟姉妹の場合

故人様が兄弟姉妹の場合も、初盆の香典は10,000〜30,000円の範囲内で包むことが多いです。兄弟姉妹は二親等にあたりますが、血を分けた身内であるため、相場はやや高い傾向があります。

孫の場合

故人様が孫にあたる場合、初盆の香典の金額は5,000〜10,000円が目安です。香典の金額は、血縁関係が近くなるほど高くなる傾向があるため、親や子供と比べると相場はやや低めとなっています。

祖父母の場合

故人様が祖父母にあたる場合、初盆の香典の金額は10,000円が目安です。親や兄弟姉妹と比べると相場は低いですが、生前のお付き合いやご自身の年齢を考慮し、10,000円以上を包む方もいらっしゃいます。

叔父・叔母の場合

故人様が叔父・叔母である場合、初盆の香典の金額は5,000〜10,000円が目安です。これはあくまで一般的な相場であり、生前にお世話になったという場合には、相場よりも少し高い金額を包んでも問題ありません。

その他親戚の場合

故人様がいとこなどの親戚である場合も、初盆の香典の金額は5,000〜10,000円が目安となります。こちらの相場を参考にしつつ、生前のお付き合いやご自身の年齢も踏まえて、包む金額を検討しましょう。

友人の場合

友人の初盆に包む香典の金額は3,000〜10,000円が相場です。親しい間柄であれば5,000〜10,000円、軽いお付き合いであれば3,000円というように、故人様との関係性を考慮して金額を決めましょう。

知人・近隣の方の場合

知人・近隣の方の初盆に包む香典の金額も3,000〜10,000円が相場です。友人の場合と同じく、包む金額は生前の親交の深さによって変動します。

仕事関係の場合

仕事関係の方の初盆に参列する場合も、香典の金額は3,000〜10,000円が目安となります。代表者を立てる場合には、1人あたり1,000〜5,000円程度を出し合い、合算して渡すのが一般的です。

初盆の香典におけるマナー

ご葬儀の香典と同じく、初盆の香典にもさまざまなマナーが存在します。お盆だからと簡単に捉え、香典を適当に用意してしまうと、故人様やご遺族に対して失礼となるので注意が必要です。そうならないためにも、表書きの書き方や包む際のマナーなどをしっかりと把握しておきましょう。

中袋のマナー

香典は「不祝儀袋」で包むのがマナーです。不祝儀袋とは、弔辞の際に使用される封筒のことで、香典袋とも呼ばれています。

この封筒にはお金を包むための中袋がついており、表面に包んだ金額を、裏面に差出人の住所と名前を記載するのが通例です。住所や名前が書かれていないと、ご遺族が香典返しを用意する際に困ってしまうため、必ず記載するようにしてください。

なお、不祝儀袋に金額を書く際は、旧字体を用いるのが正しい作法です。例えば、5,000円なら「金伍仟圓也」、10,000円なら「金壱萬圓也」と記載します。不祝儀袋に中袋がついていない場合は、裏面の左下に住所・名前・包んだ金額を書くようにしましょう。

ちなみに、ご葬儀の香典では新札の使用を避けるのがマナーですが、初盆の香典では新札を使用しても問題ありません。人の不幸は突然訪れるものであり、ご葬儀の際に新札を用いると、「不幸が起こることを予想していた」という意味合いになってしまいます。

一方、初盆はあらかじめ日時が分かっているため、新札を用いても良いとされています。しかし、初盆においても新札の使用を避ける傾向があり、ご葬儀の場合と同様に、「新札は使ってはいけない」と認識している方も少なくありません。そのため、新札を使用する場合は、折り目をつけて包むことをおすすめします。

表書きのマナー

初盆の香典の表書きは、「御仏前」「御佛前」「御供物料」と書くのが一般的です。しかし、故人様が神道を信仰していた場合は、「御玉串料」や「御神前」などと記載します。

また、表書きの下段には参列者の名前をフルネームで記入します。ご夫婦で包む場合は夫の名前だけでも構いませんが、妻が故人様と親交があった場合は夫の名前をフルネームで記入し、左隣に妻の名前だけを記入します。

会社を代表して包む場合は「（会社名）一同」と記入し、香典を出した方のリストを不祝儀袋の中に入れましょう。

香典を包む際のマナー

初盆に香典を持参する際は、「袱紗（ふくさ）」に包んで持ち運ぶのがマナーです。袱紗とは、ご祝儀や香典などを包むための布のことを指します。弔事用の袱紗の包み方は以下のとおりです。

＜袱紗の包み方＞

1. 袱紗をひし形に広げ、その中央に不祝儀袋を表向きに置く

2. 袱紗の角を「右→下→上」の順に折りたたむ

3. 左角を折りたたみ、はみ出た布を裏側に回す（爪付き袱紗の場合は留め具で固定する）

弔事の際に袱紗を使用する場合は、左開きにするのが基本です。右開きは慶事の包み方となるため、間違えないように注意しましょう。

また、弔事では寒色系（紫・紺・グレーなど）の袱紗を使うのが一般的です。紫色の袱紗に関しては、慶事と弔事の両方で使うことができるため、利便性を求める方に向いています。

香典を渡す際のマナー

香典の渡し方は、喪家に直接お渡しする方法とお仏壇にお供えする方法の2つがあります。どちらのパターンであっても、香典は必ず袱紗に包んで持参し、渡す際に袱紗から取り出すのがマナーです。

喪家に直接お渡しする場合は、相手から見て表書きが読める向きにして両手で差し出します。手渡しの際には、「このたびはお招きいただきありがとうございます。心ばかりではございますが、御仏前にお供えください」などと一言添えましょう。

お仏壇にお供えする場合は、手を合わせるタイミングでお仏壇の横にお供えします。このとき、自分から見て表書きが読める向きにして置くようにしてください。

どうしても初盆に参列することができない場合は、香典を郵送しても問題ありません。香典を郵送する際は、お悔やみの気持ちと参列できなかったことに対するお詫びを一筆添えて、現金書留で送ります。加えて、法要の当日ではなく、2〜3日前に届くように手配するのが一般的です。日付指定で送るという方法もあるため、そちらを利用するのも良いでしょう。

初盆の香典における注意点

初盆の香典を用意する際は、故人様の宗派や地域の慣習などを考慮し、妥当な金額を包むことが大切です。ここでは、初盆の香典における注意点を3つご紹介します。

宗派によっても金額相場は異なる

初盆における香典の金額相場は、故人様の宗派によっても異なるので注意が必要です。例えば、浄土真宗では親族が5,000〜20,000円、友人が2,000〜5,000円という相場となっています。相場が分からず不安な方は、似たような立場の方に確認するのも一つの方法です。

香典以外に必要な費用もある

初盆では香典以外の費用が発生する場合もあります。それに該当するケースは、法要後に会食がある場合と提灯代をお渡ししなければならない場合です。

法要後の会食に招かれている場合は、会食の費用を追加で包む必要があります。会食費用の相場は1人5,000円ほどとされており、ご家族で参加する場合は、人数分の費用を香典に上乗せするのが一般的です。そのため、初盆に参列する際は、会食があるのかどうか、ご自身が会食に参加するべきかどうかなどを事前に把握しておかなければなりません。

また、ご自身が故人様の親族である場合は、香典と一緒に「御提灯代」を包みます。お盆では故人様の魂が迷わず家に辿り着けるように、目印として提灯をともすのが習わしです。初盆の場合は、白提灯という特別な提灯を用意するのですが、白提灯は親族が用意するものとされています。

もしご自身が白提灯を用意する立場であるのなら、香典とあわせて御提灯代も持参しましょう。御提灯代の相場は5,000〜30,000円ほどとされており、故人様とどれだけ親密だったかによって相場は変わってきます。

入れてはいけない金額

初盆における香典の金額に明確な決まりはありませんが、「死」や「苦」を連想させる「4」や「9」を含む金額は避けたほうが良いとされています。縁起が悪い数字を避けることは、故人様やご遺族への配慮として非常に重要なため、その点も考慮して金額を決めましょう。

初盆の香典のお返しはどうすればいい？

初盆法要の際に香典をいただいた場合は、状況に応じてお返しをする必要があります。お返しをするかどうかは地域の慣習やご家庭の考え方によって異なるため、この機会に確認しておくと良いでしょう。

また、香典返しのタイミングや品物の選び方も地域やご家庭によってさまざまです。一般的には法要当日または法要後2週間以内に「消え物（後に残らない食品や日用品など）」を渡すケースが多く見られます。後日お返しの品を配送する場合は、挨拶状を添えるのが正式なマナーです。

まとめ

初盆の香典は、故人様との関係性によって包む金額が変わってきます。香典の金額は高すぎても低すぎても問題があるため、故人様との関係性を踏まえて、適切な金額を包むようにしましょう。

また、初盆では香典以外にも必要な費用が出てくる場合があります。当日慌てることがないよう、あらかじめ必要な金額を把握しておくことも大切です。